いつもの道をいつものように神子殿と共に歩く。
けれど今日のあなたが違う人のように思えて振り返ると、白い花びらの舞う中を頬を染めて駆けてくる姿が見えた

 歩くのが、早すぎたのか・・・

 足を止めてあなたを待つ。
そして追いついたあなたの背を見守るようにして少し遅れて歩き出せば、急に立ち止ったあなたの視線にぶつかる

「神子・・・殿・・?」
「頼久さん・・・あの・・・」
「はい、なんでしょう?」
「並んで歩きませんか」

 真っ直ぐな瞳に目が眩みそうで・・・それなのに逸らせないでいた。

「あの・・・駄目ですか?並んで歩いちゃ」
「いえ、そんなことはございません」
「よかった」

 隣に並んだあなたの指が掴む袖口が、そこだけが、たった一つだけのあなたとの繋がり。


 触れたいと思った
 あなたに、触れたいと思った
 触れれば穢してしまうと思った

 神子殿・・・
 あなたを穢したくなどない
 それでも他の誰かがあなたに触れるのは

 もっと・・・・嫌だ


 時折触れる温かさは、あなたの指先なのか。
 それとも、桜が舞い落ちて、悪戯にくすぐっているだけなのだろうか。
[了 / 散歩道]