風邪をひいたあかねちゃん |
そのひのあさ、チビ頼はめをさまして「あれ?」とくびをかしげました。 なんだかようすがちがっています。 いつもはいいにおいがするキッチンがきょうはまっくらなのです。 「明日の朝はチビ頼の大好きなかぼちゃのスープ作ってあげるね」 あかねちゃんはたしかにそういったのに。 ちいさなあんよで、あかねちゃんのベッドまでいくと そこには、まっかなかおのあかねちゃんがねていました。 ぴたっ まっかなほっぺを、おててでさわると あつくて、あつくて、チビ頼はたいへんだとおもいました。 ぴたっ、ぴたっ なんどさわっても、ちょんとつっついても、 あかねちゃんはめをさましてくれません。 すこしだけ、むかしのことです。 チビ頼が、あかねちゃんのおうちにくるときめたとき まだおおきかった頼久はいじわるなことをたくさんされました。 きっとそのひとは、あかねちゃんのおうちにだれもいかせたくなかったのです。 だから、こんなふうに、頼久のからだを小さくしてしまったのでしょう。 けれどチビ頼は、きめていたのです。 ・・・ちいさくても、あかねちゃんをまもるんだ。 たとえ、からだはちいさくても、あかねちゃんをおもうきもちは だれよりも、だれよりも、おおきかったのです。 ・・・あかねちゃんをまもるってちかったのに・・・ それなのに、めのまえで、くるしんでいるあかねちゃんに チビ頼はなにもしてあげられません。 えっく、・・・っく・・・どうしてちいさいんだろう・・・ とうとうチビ頼はなきだしてしまいました。 そのとき、あかねちゃんの、まっかなかおが、すこしだけうごきました。 チビ頼は、ないているのをみられたくなくて、にげだそうとしましたが あわてていたのでしょう、ベッドのはんたいがわにある まどガラスにぶつかってしまいました。 ゴチン おでこがぶつかって、チビ頼は「いて」と、いってから じぶんのおでこがつめたいことに、きがつきました。 さむさで、くもったガラスに、おでこのあとがついています。 チビ頼は、ちいさなおててをガラスにペタリとくっつけてみました。 ・・・つめたい そして、こんどは、そのおててを、あかねちゃんのおでこにくっつけます。 ぺた、ぺた、ぺた・・・ なんども、なんども、おててをひやして まっかなおでこにくっつけました。 なんどくっつけたでしょう、あかねちゃんがようやっと、めをさましました。 にっこりとわらった、あかねちゃんが、チビ頼のあたまをなでてくれました。 チビ頼は、あかねちゃんのわらったかおが、だいすきだったので たくさん、たくさん、おててをくっつけます。 ちいさいじぶんには、それしかできないとおもったのです。 けれど、あかねちゃんは、チビ頼のおててをにぎると 「冷やしてくれたんだ・・・ありがとう」 そういってから、まどガラスをみて、こうもいいました。 「お花もくれたんだね。綺麗だね」 そこには、チビ頼のちいさなおててのあとが ちいさな、ちいさな、おはなのようにさいていたのでした。 あかねちゃんが、もういちどにっこりと、わらいました。 |
|
|
| おしまい |