窓から射し込む一筋の柔らかな光でアリオスは目を覚ました。
閉めきっていたはずだが・・・・ 不快感を隠しもせず憎らしげに睨みつけ、それからまだ隣で眠るアンジェに目をやる。柔らかな頬は、昨夜の熱を残したようにまだ薄っすらと紅い。緩やかに開かれた口元は、そのくせ時折きつく閉ざされて、と同時に僅かに眉が寄る。
アンジェの耳朶に光る小さな石が朝の光を反射していた。
お前の全てを俺のものにしたと思っていた。 心も体も何もかも全てを・・・・だけど・・・・そんなんじゃ ぜんぜん・・・ああ、ぜんぜん足りなかったんだ・・・だから昨夜・・・
アンジェの腰をつかみ、後ろからに突き刺したまま窓辺へと向かう。
一歩ずつ歩く度に、その刺激に膝がガクガクと震えアリオスの支えなしでは立ってもいられない。 カーテンを開け放った窓から見える眩いばかりの星の輝きの中に、快感に歪んだ・・・・アンジェの美しい顔が映っていた。
・・・新しい宇宙か・・・・
アンジェの手を窓ガラスにつかせると、アリオスはその上から自分の手を重ねて、一度、ぎりぎりまで引き抜いては、また最奥まで突き上げた。
「っんっ・・・・ああっ・・・・アリオス・・・・」
・・・・ったく・・・いい声出してんなよ
アンジェの声が部屋中に響く。 誰もいないせいか遠慮なく上がるその嬌声に柄にも無く焦って、しなやかな背中を見つめながら腰に手を添えて、アリオスは激しく腰を打ちつける。
「はぁっ、いやあぁっ・・うぅんっ・・・」
甘い声を上げて仰け反ると同時に、波立つような快感の中アンジェは達した。
・・・もういっちまったのか・・・・だけど今日はこれで終わりじゃない。
「相変わらず、いやらしい体してるぜ」
「・・・なっ、何言ってるのよ・・・だってこれはアリオスが・・・・」
荒い息を吐きながら、アンジェが睨みつけた。 けど、その顔にだって色香が漂って、それは俺を誘うだけなんだぜ。
「本当のことだろ?」
首筋から背中へと、すっと指を一本滑らすと、堪えきれずにアンジェは声を漏らして身をくねらせた。
「っ・・んっ・・・・」 「ククッ、ほらな」 「アリオス・・・卑怯よ」
「光栄だぜ、その言葉」
・・・そう言いながら、アンジェの手を取り、そのまま濡れすぎている中心へと導く。
「アンジェ、お前も自分で確かめてみろよ」 「はぁっ・・・やぁぁっ・・・・」
そこはまだ蜜が溢れ続けていて、アンジェの細い指をなんなく呑み込んだ。
「一本で足りるのかよ?」
自分の手を添えて、ゆっくりと上下に動かしてやる。アンジェの指がクチュクチュと自分の音を立てはじめた。
「っ・・・もう・・・やぁっ・・・やだっ、やだっ・・・」
湿った音をかき回すようにアンジェの指を操ると、添えた手に、ひくひくとしている入り口があたっているのが俺にも伝わってくる。
「自分の指で弄ってるんだぜ、わかるか?」 「ああんっ・・・っ・・・・いっ、やっ、やぁぁっ・・・」
最初は拒否していた快感を今はもっともっとと求めるアンジェがいた。
狂ったように自分の指を突き上げ、もっと奥まで進ませようと関節ギリギリまで押し込める。 けれど、アンジェの指は肝心の箇所に達することができずに、もどかしさと羞恥に頭がおかしくなりそうだった。
「自分の指でイってみろよ・・・」 「ッ・・・・・クッ・・・・・・・・ああっ」
アンジェは言葉にならない声を上げ、ただ頭を振って応えた。だがその瞳は明らかにアリオスを求めている。
「んっ・・アリオス・・・・お願いっ・・・・アリオス・・・・」
アリオスはアンジェの指を引き抜くと、満足そうに微笑み、そして何の支えも失ったアンジェの中心へとおもむろに自分の指を挿し込んでゆく。
「んっっ・・・はぁぁぁっ・・・・っ・・・」
その途端にアンジェから、今まで以上に大きな嬌声が上がる。
「届かなかったんだろ、ココ・・・お前の一番感じるとこ・・・」
そこには・・・・・・アリオスより短い指では、届かない。 そこを、突いて擦らなければ・・・・・それがアリオスがアンジェの体に教えたこと。
「ほら、この奥がいいんだろ、アンジェ・・・・」
わずかな距離が、全ての境目。 たったの数センチ・・・・ 自分でさえ踏み込めない領域に、アリオスは入ることができる。
アリオスは指を引き抜き、再び自身を挿れるとアンジェの体をきつく抱きしめながら激しく突き上げた。
「んっはぁっ・・・・・・ああっ・・・・・・アリオスっ・・・・」
アリオスにアンジェリークの体はただ踊らされ、溺れ・・・・その腕の中へ沈んでいった。
俺がいなければ、悦びを感じることができない体。 俺が、そうした。
独占して、束縛するために・・・・・ だけど、足りないんだ・・・・ああ、ぜんぜん足りない。
チクリとした痛みに、アンジェの意識が浮上してゆく。
「・・・・・・・・」
耳元に見知らぬ熱を感じて手をやると、小さな石がアンジェの指に触れた。
「どうして?」とでも言いそうな顔だな、アンジェ・・・・・ どうしてもくそもない・・・理由なんて俺にもわからない。あるとすれば、それはたった一つ・・・・・愚かな独占欲。
アリオスはアンジェの耳朶に唇を寄せ、ピアスごと口に含むと、音を立てて・・・・・その先端を舌へと刺し込んだ。
シルシをつけた。 けど、それでどうなる?
笑えるぜ。 シルシなんてつけなくたって、俺はお前を手放す気なんてありはしないのにな。
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